為末大さんに質問してみたら意外なことが分かった③

前回のお話

為末大さんに質問してみたら意外なことが分かった。②

大久保

さて、いよいよ表題の「質問してみたら意外なことが分かった」の部分をご紹介したいと思います。

事前に出された4つの質問一つ一つに丁寧に回答された後、会場に来ていた方々からの質問コーナーになりました。3人4人と質疑応答があり、いよいよ勇気を出して私も手を挙げてみました。

 

大久保

「今日は貴重なお話をありがとうございました。今、世の中にないものでも良いので、日本人アスリートの競技活動資金難を解決出来る良い方法があったら教えてください。」

 

日本人選手の競技活動資金難問題 解決方法案

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為末大さん

アスリートの活動資金が無いというのはいくつかあると思うのですが、一つは生活にかかるお金が無い、もう一つは競技に関わる資金で、これは冬の競技に多かったのですが、器具を運んだりとか移動に関するもので無いものがある。で、これとは違う観点なんですけれども、もう一つはこの先にイメージが出来ないというパターンもある気がするんですね。

 

大久保

(①生活費 ②競技資金 ③生涯資金? なるほど。冬の競技はまさにそうなんです。練習の活動場所にもお金がかかり、道具そのものが高額で、輸送費もかかります。モータースポーツや乗り物系、空飛ぶ系のスポーツもそうですよね。メモメモ)

 

為末大さん

例えば以前、2年間くらい選手に活動資金が出ますよというプログラムがあったんです。それはちゃんとメッセージが伝わっていたら良かったと思うんですが、選手側がそれ(活動資金)をアテにして競技をやっていこうとしていたんですけれど、全然その先が無かったんですね。2年間お金が出たらお終いなんで、次の請求はできないといった形だったんです。ちゃんと2年間の猶予だよと言えば良かったんですが、選手の方が何か期待してしまって、この先色々あるのではないかと思ってそのお金をもらっていたんですけれども、その先は無いですという形だったんです。
 だからもう一つの問題は、選手たちが希望を持てる方向性かどうか、ちゃんとうまく道筋を作れるかといった問題がある気もします。

 

大久保

(なんとなく分かります。私はスキー選手として活動していましたが、雪国出身でもなく、スキーに関するお仕事も冬が中心で、天候などにも左右されて、マーケットも小さいので、一生の仕事にしようという考えは残念ながら持てなかったのが事実です。現役中から、どうやったら目標まで長く競技生活を続けられるか、将来設計を考えていました。)

 

為末大さん

最初の自分たちの生活費に対してのお金のところで、僕がここはポイントだなと思っているところは、日本では企業の余ったお金を株主に還元するという感覚が、実は薄いのでは無いかと思っていて、それを社会に還元するといった思いの方が強い気がして、特にオーナー系企業と長く続いている企業が多いので、株主構成が多様ではない気がするんです。そうするとアクティビストみたいな株主が少ないんで、配当しろ!という圧力は小さい気がしています。で、その人たちからすると会社というのはむしろ公器なんだけれど、株主のための公器ではなくて、従業員も含めたものの公器であって、これは日本型の株式会社に多い気がしています。こういった会社に刺さるポイントは、地方のオーナー系企業で、今後の社員をどうやって確保していくかといった時に、働いている社員の方も勿論ですが、何らかの形で自分たちが社会の中で知名度や魅力を発揮していくと思うのです。その中で、どんな競技でも「スポーツで一生懸命やっている人に対してサポートします!」という形を作ることは、実は結構ニーズとしてはある気がするんですね。で、ここをマッチングするシステムというのは今の所なくて、一つJOCがやっているシステムがあるんですけれど、これは巨大な企業と選手をマッチングしているので、少し違うモデルになっています。

 

大久保

(JOCのアスナビですね。http://www.joc.or.jp/about/athnavi/

 

為末大さん

私のイメージから行くと、(従業員数)50人から200人くらいの地方の中小企業で、できればオーナー企業で「社員一人分くらいを抱えるのは良いよ、その代わり支援した選手が、次の新入社員を確保する場で話してくれたりして欲しい」とか、そういう風に選手が活躍出来るモデルでいくと、結構その選手が生活する部分のお金を出すというところは解決するのではないかと思っています。

 

大久保

(マッチングシステムということはITが課題解決の鍵?と頭に過ぎりましたが、企業とのマッチングになるとITプラットフォームよりも、むしろ競技成績だけで判断されず、顔と顔を合わせて人間性を見てもらえる、街コン?や婚活のようなビジネスモデルのイメージが湧きました。)

 

為末大さん

2つ目の移動費などのものは、もうちょっと上手にアライアンスを組んでみたら良いと思っています。私の知り合いで運送会社の社長さんがいるんですが、その人は結構二つ返事で、「選手の物を運ぶのはこのくらいの金額でできるよ」と言ってくれたりするんです。そういうのをちゃんと整える人が全体整備すると、実はかなりのコストが安くなるのではないかなという気がしています。

 

大久保

(確かに。その発想は思いつかなかった…非五輪競技ではありますが、お友達のジェットスキー選手やハンググライダー選手は道具を運ぶだけで数十万円かかると聞いているので…ちょっと違うかもしれないけれどUberのような仕組みでアスリートと運送会社がボタン一つで繋がれたら、かなりのアスリートが今以上に活動の範囲を広げられる可能性がありそうですね。)

 

為末大さん

3つ目は教育しかないと思うので、選手たちと一緒に自分たちのキャリアをどうやっていくかというのを、ある年齢になったアスリートとは一緒に考えてくれるキャリアカウンセラーみたいな人がついてくれると良いんではないかという気がしていて、私が感じる3つの問題というのは、この三本柱で解決できると思っています。

 

大久保

(セカンドキャリア問題も同時に解決する必要があるということですね。スタートアップの世界でも、球児に高校生や大学生の頃からセカンドキャリアへの教育をしている起業家のお友達がいるので、各競技のプロフェッショナルなキャリアサポートチームを連携すれば解決できそうですね。)

 

為末大さん

特に一つ目はJCとか、もう既にガチッと(組織が)作られている所と思い切り組めば可能性があると思います。JCは各エリアで300〜400人いるので、下手したらその地域のJCが出し合ったお金で選手がこの活動(中小企業や地域活性化の広告塔)をやっても良いと思います。JCは全国で数百個あるので、それだけでも数百人の選手は救える気がします。頭の中の(ジャスト)アイディアだけなので分からないですが。大変だとは思うのですが、そういうサポートのしていただき方というのもあるのではないかと思っています。

 

大久保

(なんと!ここでJCが!同級生がJCで活躍しており、昨年から側で活動を見させてもらい、私も遅かれ早かれJCに入会予定だったので、何か運命を感じました。)
※JCとは

JCロゴ

日本青年会議所

http://www.jaycee.or.jp/

 

私が大好きなABTVnetworkの荻龍さんが作成したPVがコチラです。

大人が変われば、子供が変わる。【カラフル家族#33】

https://youtu.be/x9q6QoLZriE

 

実はこの後も来場者との質疑応答があり、その後に為末さんが引退後どんな道を通ってきたか、そしてこれからどんな道に進みたいかというお話を聞いて、私は為末さんを誤解していたのかもしれないと気づかされました。為末さんは探究心がありとても思慮深く、好奇心旺盛なところは少年のようで、包み隠さず話す姿にとても純粋なものを感じました。

 

そして弊社は「現役選手の競技活動資金難」という社会課題解決に取り組む会社なので、為末大さんから頂いたヒントを生かして事業内容を磨いていきたいと思います。

 

大久保

為末大さま、情報工場さま、貴重な機会をいただき

ありがとうございました。

情報工場logo

情報工場http://www.joho-kojo.com/

 

逃げる自由

 

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